発達障害~対人関係に躓きが多い子~

こんにちは。
保育・療育専門家 コノアス合同会社 代表 柏木です。

みなさんは、次のような悩みをもっていませんか?

保護者C

社会性や対人関係、コミュニケーションに難のある子どもがいる。

保護者A

相手の気持ちが分からない子がいて…。もう疲れました。

保護者B

自制が効かず、すぐ怒っちゃう子がいて…。揉めごとが絶えません。

発達障害や知的障害の子は、対人関係に躓きを抱えていることが多いです。
そこの支援というのは、本当に難しいものになります。

そこで今回は、「発達障害~対人関係に躓きが多い子~」と題して、詳しくお話していきますね。

この記事を最後まで読んで頂ければ、対人関係の効果的な支援を学べますので、ぜひ最後まで読んで下さい。

それでは、どうぞ。

目次

子ども達のヘルプサイン

保育園や児童発達支援にいると、次のような傾向が強い子どもがいると思います。

  • 自分のやりたい遊びだけを主張する
  • 場の空気が読めない
  • 相手の気持ちを理解しようとしない
  • こだわりが強いため、周りを認めようとしない

上記のような子ども達は、「わがまま。」「自分勝手すぎる。」「自己中心的な子。」 と否定的な見方をされることが多くなります。

しかし、これらの言動は、全て子ども達からのヘルプのサインなのです。

彼らは、助けてほしい気持ちを上手く表現できません。
そのかわりに、「自分勝手」と呼ばれるような言動で助けを求めているのです。

「相手の気持ちを考えなさい。」は適切な支援なのか?

子どもは、社会生活を通して、少しずつ周囲に認められる経験を積みます。
次第に自分に自信を持つようになり、何かに挑戦しようとする意欲や自分の行動を修正する力を身につけるのです。

家庭環境なども含め、なかなか自己主張の強さが消えない子もいますが、ほとんどの子は、発達の過程で落ち着いていきます。
その一方で、いつまでも自己主張の強さが出てしまい、些細なことで衝突を繰り返す子もいます。

いわゆる、発達障害やグレーゾーン(境界知能)、軽度知的障害の子ども達です。

このような子ども達への支援は、保育園や小学校入学後もおおむね同じです。

  • もっと、相手の気持ちを考えなさい
  • 友達と仲良くしなさい。
  • 乱暴はよくない。

研修会の生徒指導の悩みなどでも、これらの言葉が多く聞かれます。

担任の先生によっては、誰もいない教室で喧嘩した二人の話を聞くこともあるようですが、大概が上手くいきません。
簡単な話です。
相手は子どもなので、自分を正当化するのに一生懸命で、意見の食い違いが起こるのです。
次第に時間が無くなり、「喧嘩両成敗」となります。
一見、先生が納得させたように見えますが、子ども達のほとんどは納得していません。

保育園や学校では、「相手の気持ちを考えて行動しなさい。」「自分勝手なことをしてはだめ。」という支援が大半を占めます。
確かに、私たちの社会の大事な規範の一つです。
ところが、「相手の気持ちをよく考えなさい。」という抽象的な言い方では、こちらの意図が上手く伝わらない子どもがいます。

そのような子ども達は、相手の気持ちや状況、物事の因果関係の理解が難しかったり、できなかったりするのです。
自分の行動が相手にどんな影響を与えているのかを、客観的に見て想像したり、修正したりすることへ困難さを抱えているからです。

いわゆる、発達障害の傾向がある子どもに多い「想像力の欠如」になります。

これらの背景には、以下のような要因が推測されます。

➀記憶の弱さ

過去にあった類似する経験と結びつけられない

➁言葉の理解力の弱さ

場面や状況ごとに異なって使われる意味や言い回しの理解が難しい

③自分を客観視することの弱さ(メタ認知の弱さ)

自分の性格や特徴を客観視することが苦手で、対応策を講じることができない

④身体感覚の弱さ(触覚・固有覚・平衡感覚が特異)

身体の動かし方やボディーイメージが掴めていないと、動作が乱暴に見える

⑤情報の取捨選択の弱さ

状況に応じた視覚・聴覚情報を取り出すことが難しいため、適切な判断・行動ができない

上記のような躓きがあると「相手の気持ちを考える」というのは、難しい対人スキルだと言えます。

周囲からのサポートもなく「相手の身になれ。」と伝えられるだけの支援では、解決の糸口が見いだせないでしょう。
保育園・学校でも、「相手はこんな気持ちだよ。」「相手からは、君の行動はこう見えている。」と、子どもに分かる形で伝えてあげる工夫が必要です。

具体的な支援~コミック会話の活用~

近年の療育・教育現場では、子どもの状況判断力を育てる支援として、簡単な絵を用いることがあります。

<コミック会話法(キャロルグレイ/1994)

漫画の主人公のように子ども(本人・相手)を登場させ、 活動場面の会話を吹き出しにして示します。
お互いの見えなかった気持ちを視覚的に書き込むことで「見える化」するのです。


さらに、言葉は記憶に残らず消えてしまいますが、書き残すことでいつでも振り返ることができます
自分がどう行動すれば良かったのか。
コミック会話を活用することで、子どもに「知識と経験」が積み重ねるのです。

子ども達は、「自分には難しいので、視覚的に伝えてください。」とは言いません。
そう言わない代わりに、「反抗的な態度をとる。」「ボーっと立っている。」「フラフラしたり、逃避行動をとる。」「大声を出したり、暴力的な行動をする。」などで表現します。


何であれ今の支援は自分に合っていない」「先生、助けてほしい」とヘルプのサインを出しているのです。
一見、身勝手に思えるような行動も、状況を視覚的に伝えてほしいというサインだと思うようにしましょう。

まとめ

私たちは無意識のうちに「子どもの粗探し」をしてしまう傾向があります。
子ども同士のトラブルがあると、「またやった。」「やると思ったよ。」などと、思ってしまいますよね。
そのような場合は、一度、活動場面や自分の支援を見直してみましょう。

その活動は子どもにとって「分かる活動であったか。」、「できる活動であったか。」、「視覚的な情報は伝えていたか。」。
振り返ることで多くの気づきを得られると思います。

子ども達のアスのために。
日々、より良い支援を。
コノアス合同会社 代表 柏木でした。

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