グループ活動が苦手な子~つまずきの背景の考え方~

こんにちは。
保育・療育専門家のコノアス合同会社 代表 柏木です。

発達障害の子ども達は、「グループ活動が苦手」や「人との関わりが苦手」などのように言われることがあります。

確かに、先天的な障害により、集団への参加や相手の気持ちを想像することは苦手です。
加えて、過去の失敗経験から自信がないとなると、集団参加そのものが嫌になってしまいます。

でも、それは本当に悲しいことです

支援者側が適切なグループの設定や細かな配慮をすることで、集団参加が得意になることだってあります。

今日は、そんな「グループ活動が苦手な子」および支援の考え方について話していきたいと思います。

ぜひ、最後までお付き合いくださいね☆

(1)グループ活動が苦手な子
(2)表面的なつまずきにとらわれない~氷山モデル~
(3)まとめ

目次

グループ活動が苦手な子

はい。今のグループのまま、〇〇してください。

支援者の指示で、各グループの子ども達が活動に入っていきます。
これは、日常的に保育園やデイ・サービスなどで見かける場面ですよね。

しかし、ここで上手くグループの活動や役割活動に参加できない子っていませんか。

気づけば、グループの活動と違うことをしていたり、協力的になれなかったり…。

あげくには、トラブルを起こしてしまう子っていますよね。

○○くん、ふざけすぎだよ。

きちんとやって。

子ども同士で、こんな言葉がでることもあります。

グループ活動が苦手な要因

グループ活動が苦手な要因は、大きく分けて2つあります。

①その子自身のつまずき
②指導上の工夫が求められる教師側の要因

その子自身のつまずき

  • 途中でやることが分からなくなる
  • 他のことに気を取られてしまう
  • できないことや、指示を聞き漏らしたことを素直に言えない
  • 集中の持続が短い
  • 不器用で用具の操作が難しい etc…

教師側が見直すべき指導上の視点

  • 活動の内容や量を分かりやすく提示していない
  • 作業の手順が複雑
  • 期待値が高すぎる
  • 子どもの得手、不得手の理解不足
  • 「できない」という決めつけから、簡単すぎる活動を用意しプライドを傷つけてしまっている etc…。

「自分自身のできなさや活動の遅さ」に気づいている子の場合、少しでも苦手さを感じると、できなさを隠したくても隠せない状況に追い込まれ、できればグループ活動を回避したいという気持ちをより強固にします。結果として、「やらない」「めちゃくちゃにする」「投げ出す」などの行動が表面に出てしまうことが少なくありません。

子どもの表面的な姿だけを見て、意欲が低い」「やる気がない」と判断するのは簡単です。

しかし、その背景にある「つまずきの要因」を分析することができれば、「できることが増えると考えることができます。一つ、指導の大きな分かれ道です。

ここでは、以下の支援方法を紹介します。

グループ活動が苦手な子への支援の方法

では、実際に支援の方法を紹介していきます。

活動の内容と量を絞る

  • 活動内容は分かりやすく、単純なものから用意する
  • みんなと始まりの時間を揃える
  • 活動時間や終了を明確にする
  • 曖昧な達成目標を避け、具体的に手順とゴールを示す

協力という概念を目に見える形に

  • 最初からグループの協力活動を期待するのではなく、まずは一人でできる得意分野を任せる
  • 終わったら、「次に何をするのか。」「誰を手伝うのか」を明確にする
  • 意図的に「ペア活動」などの協力場面を設定する

成功体験を大切に

  • 「嫌ならやらなくていい。」「どうせできないし、無理はさせない。」というスタンスではなく、「できることを少しずつ。」と考える
  • さりげなく手伝い、やり遂げたという達成感をもたせる
  • グループの友達から認められる、頼りにされるような場面や役割を設定する

上記の3つをグループ活動の前に準備をしましょう。

大事なのは事前のシュミレーションと準備です。

子どもの姿を想像しながら、想定される事態を予測しましょう。
子どもが「やってみたらできた。」という達成感を得て終わることが、「次」に繋がります。

当ブログでは発達障害の子どもの生きづらさについて詳しく紹介しています。こちらの記事も是非参考にしてください。

表面的なつまずきにとらわれない~氷山モデル~

ここまでは、グループ活動での「つまずき」の背景理解と支援方法についてお話をしてきました。
ここからは、子どものつまずきの背景理解のための考え方を紹介します。

それは、「氷山モデル」です。

表面的なつまずきから、その背景を考えることは「氷山」に例えられます。
問題的に目に映る子どもの行動には、必ず目に見えないつまずきが隠れているのです。

お絵かきや塗り絵のつまずきを隠すかのごとく、活動中ふざける子もいます。

手先の不器用さをごまかすように、わざと滅茶苦茶な作品づくりをする子もいます。

感情の言語化が苦手なために、暴力的な態度でしか気持ちを表現できない子だっているのです。

これからの教育・療育には、表面化することのない「つまずきの根本」に思いを巡らせる、洞察的な支援が求められるのではないでしょうか。

子どもによっては、つまずきの氷山の水面化に隠れた部分が、肥大化・複雑化していることがあります。

その際は、絡まった糸を丁寧に解くようにつまずきの背景を見定め、最も優先順位の高い課題を見出すことから始めるとよいと思います。

一番困っているのは、子どもなのです。

子どもの氷山の水面下には、何があるのか?
想いを巡らせるようにしましょう。

まとめ

今回は、グループ活動が苦手な子の理解および支援方法を紹介してきました。
グループ参加の失敗経験というのは、とても辛いものがあります。

「恥をかいた。」「失敗した。」というのは、根深く子どもの心に突き刺さり、自己肯定感を下げてしまうのです。

それは、集団参加への意欲の低下」や「不適切な行動」へと繋がってしまいます。

ですので、今日紹介した「グループ活動の参加方法」や「氷山モデル」を、ぜひ参考に実践してみて下さい☆

子ども達は、誰もが可能性を秘めています。

それを、私たちの支援で最大限引き出すことができたら素敵ですよね。

子ども達の笑顔のために、より良い支援を☆

それでは、また☆

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