音読が苦手な原因と支援方法

こんにちは。
保育・療育専門家のコノアス合同会社 代表 柏木です。

今回は、「音読の苦手な子」についてお話していきます。

音読の苦手な子」と聞くと、みなさん次のようなことを思い浮かべませんか?

保護者A

毎日、絵本を読んでいるんだけど、ちっとも上手くならない。

保護者C

いつも同じようなところで、つっかえる。

保護者B

たどたどしい読み方から成長しない。

わかります。
特に、発達障害や学習障害の傾向がある子どもにとって、「音読」は大変ハードルが高いものです。

そこで今回は、「音読の苦手な原因と具体的な支援方法」を、お話します。
ぜひ最後まで読んで下さいね。

目次

音読が苦手な子のパターン

「読み間違い」や「読み飛ばし」 にはいくつかのパターンがあります。

ですから、「あの子は音読が苦手。」と、一言でまとめるのではなく、どのような躓きをしているのかを整理することが大切です。

例えば、絵本の音読の様子を丁寧に観察すると、次のようなことに気づきます。

〇「た、い、よ、う(太陽)」など、1文字ずつバラバラに読んでしまう。
〇単語を別の言葉に言い間違えてしまう(読み間違い)。
〇他の行に飛ばし読みしてしまう(読み飛ばし)。
〇文の読む順番がわからなくなる。

子どもの間違え方のパターンを理解した上で、躓きの背景を考えるようにしましょう。

逐次読み

1文字1文字 たどりながら音読する「逐次読み」は、文字を覚え始めた幼児期から低学年に現れやすい躓きです。
「あ」の文字を、「a」と読むには、文字と音を対応させる力が必要になります。

しかし、逐次読みの子どもは、文字と音を瞬時に結びつけることが苦手なため、「た、い、よ…う。」と呼んでしまうのです。

この場合、文字を書いても「こっくり」を、「こくっり」と書いたり、「におい」を「によい」と書いたりしてしまいます。

では、どのように支援をすればよいのか。

次に説明します。

逐次読み~具体的な支援方法~

逐次読みの傾向が見られる場合は、「音と文字を対応させる力」を育てる支援が有効です。
以下に具体的な支援方法を紹介します。

➀しりとり遊び

しりとり遊びは単語の末尾の音を聞き取り、その音から始まる単語を探します。
単語の音を正確に聞き取る力」や、「その音と同じ言葉を探し出す力」を遊びながら育てることができるのです。

具体的なしりとり遊びの例

スイカ➔カモメ➔メガネ➔ネコ➔コマ

➁逆読み遊び

逐次読みは、文をなめらかに読むことができず、途切れ途切れに読む状態です。

逆読み遊びは、文字をまとまりとして捉える能力を養います。

これにより、文をスムーズに読むことができるようになるのです。

私たちは文を読む際、一文字ずつ見ているわけではなく、文字まとまりとしてとらえ(単語や文節)、意味の理解を進めています。
逆読み遊びを通じて、文字のまとまりを認識し、言葉の意味の理解を深める練習を行いましょう。

具体的な逆読み遊びの例

単語を逆に読もう

単語を逆さにして、正しい単語として読む練習をします。
例: 「ともだち」➔「ちだもと」と読む。

短文を逆に読もう

文を逆さにして、正しい順番で読む練習を行います。
例: 「かきをたべた」➔「たべたをきか」のように、逆に読む。

逆読み遊びは楽しく、子どもの逐次読みの改善に効果的です。
日常会話や絵本の中で、逆読み遊びを取り入れるようにしましょう。

他には、「中抜き言葉遊び」のようなものもあります。

・「カラス」➔「カス」
・「だるま」➔「だま」

これらも、単語のまとまりや音韻分解を意識する点では効果的です。
ぜひ、試してみて下さい。

③積み木遊び

家庭や保育園に「ひらがな積み木」があれば、積み木遊びがおすすめです。
子どもは、保育士の単語を聞きます。
その単語の積み木を積み上げていくのです。
文字を逆の順番に積み上げる必要性があるため、文字の構成要素を目と動作で確認できます。

言葉の途中で切れ目が入り、つっかえながら読んでしまう子

逐次読みでもお話しましたが、私たちは音読する際、単語を見つけ出し、ひとまとまりのグループとして読んでいます。
ところが、ひとまとまりの単語を見つけ出すことができないと、その言葉の途中で切れてしまうことがあるのです。
それが、「読むのが下手。」「つっかえながら読んでいる。」と言われている状態です。

そこで、子どもには、単語のまとまりを意識できるように「スラッシュ(/)」を書き足すと、単語のまとまりを認識しやすくなります。(分かち書き)

短文から始め、徐々に「上手に読めた。」という経験を積んでいくようにしましょう。

また、すでに知っている単語や日常的に使っている単語は、比較的目に留まりやすいことが明らかになっています。
過去のエピソードと単語を結びつけて教えたり、実際に体を動かしてイメージを持たせたりするなどの工夫をして、支援したいものです。
私たちも、馴染みがなかったり、聞きなれない単語はスムーズに読めませんよね。
予備知識や経験の下積みがあると、上手に読めるというのは大人も子どもも同じです。

そう考えると、「つっかえ読み」には、語彙を増やす指導が有効であるといえます。

そこで、「つっかえ読み」の改善に効果がある指導方法を紹介します。

共通要素集め遊び

(例)果物の仲間を集めよう

・リンゴやみかんなど、果物の単語を集めていきます。
・横展開していき、「魚の仲間集め」や「3分などの制限時間」を設けるなどのゲーム性をもたせることで一層盛り上がります。
これを繰り返すことで、語彙が増えたり、単語と意味が結びついたりします。

まとめ

今回は、音読な苦手な原因と具体的な支援方法をお話しました。
今回の話を通して、音読は読みの問題だけではないことを知ってもらえたら嬉しいです。

文字と音を対応させるのが苦手」「単語をまとまりとして認識できない」「語彙が少ない」など、子どもによって様々です。

音読が苦手な子には、丁寧な観察を繰り返し、その子に合った支援をしていくことが大切になります。
また、一朝一夕で効果がでる課題でもありません。

支援者が辛抱強く継続して支援してくことが必要です。
音読は難しい課題ですが、子ども達のアスのために頑張っていきましょう。

よりよい、支援を目指して。
子ども達のアスのために。
コノアス合同会社 代表 柏木でした。

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