こんにちは。
保育・療育専門家 コノアス合同会社 代表 柏木です。
小さな子どもで、「言葉足らず」「舌足らず」な子っていますよね。
また、発達障害や知的障害の子どもは、言葉の遅れや独特な表現が目につくものです。
そもそも、言葉が出づらい緘黙を併発していることもあります。
そんな中で、子ども達は必死に言葉を覚えていくのです。
そこで、皆さんに1つ質問があります。
皆さんは、子どもがどのような順番で言葉を覚えていくのかご存じでしょうか?
おそらく知りませんよね☆
言葉の発達段階を理解しておくと、子どもの支援にとても役立ちます。
例えば、「Aくんは、この発達段階なんだ。ということは、○○な関わりをすればいい。」などと、適切な支援に繋がるのです。
つまり、より深く子どものことを理解できるようになります
子どもの発達段階を覚えるのはとても大きな大事なので、ぜひ最後までお付き合いください★
発達段階ってなに?
発達には個人差があるので、○歳で○○ができるとは断言できません。
ですので、多くの子どもに共通して見られる発達の流れを「発達段階」と呼びます。
発達段階とは、身体的・精神的な成長の過程です。
発達段階には、発達の課題があり、課題が達成されることで子どもは成長していきます。
特に言葉の発達段階は、おおよそ決まっているため、焦って先に進もうとしても、前段階を獲得していないと、次の段階へ進むのは困難です。
ですので、家庭や園では子どもの成長に適した環境や支援をしっかり整えていく必要があります。
それでは、<言葉の発達段階>の解説をしていきます。
言葉の発達段階
言葉の発達段階は、泣くから始まり、クーイングや喃語、指さしなどのいくつものステップがあります。
どれも、言葉の発達には欠かせない大切なものです。
順に解説していきます。
0カ月
泣く
乳児は出生直後から、「お腹がすいた」や「眠い」、「快・不快」などの感情を泣いて表現します。
この時期は、泣くことが唯一の表現方法といえるでしょう。
1~4カ月
クーイング
「うー。」や「あー。」などの母音の発声をクーイングといいます。
身体の成長に伴い、のどや口の中に音を調整するスペースができることで、泣き声以外の声が出せるようになるのです。
機嫌が良いときやリラックスしている、親子で会話しているときに出やすいと言われています。
クーイングは、喃語より前に見られる大切な発達段階の項目です。
5ヵ月~
喃語
この頃は、「子音+母音」が連続する「ばばば。」「あぶあぶ。」などの喃語が見られるようになります。
声遊びとして始まる喃語ですが、この時期になると親へのアピールなど「言葉」としての機能をもつようになるのです。
そして、8ヵ月を過ぎると、口腔内の発達により、発音もはっきりし言葉も増えてきます。
ちょうど、身振りや表情で行う親子のやり取りが楽しくなる時期です。
9カ月~
指さし
9ヵ月ぐらいから指さしや表情などで「あっち。」や「嬉しい。」などの気持ちを伝えようとします。
また、この時期は他者や周囲のものに興味をもちはじめるので、言葉や認知力を高めるチャンスです。
言葉の意味までは理解できませんが、積極的に話しかけたり、発音を教えたりしましょう。
Q.0歳児~喃語が少ないときには?~
赤ちゃんの声に反応を示してあげよう
喃語を話すようにするためには、周囲の反応や働きかけが重要です。
赤ちゃんは、自分や両親の声を聞いたり、反応を見たりすることで声を出そうとします。
ですので、たくさん赤ちゃんの声や動きに反応を示してあげましょう。
自然と、自発的に喃語を発するようになるはずです。
1歳頃~
1歳を過ぎると、「ぶーぶ(車)」や「にゃんにゃん(にゃんにゃん)」といった、意味を持つ単語を口にするようになります。
喃語の時点では、意味をもたなかった「まんま」という言葉も、「ママ」や「ご飯」であることを理解して伝えるようになるのです。
同時に、「ぱんまん(あんぱんまん)」や「にんに(おにいちゃん)」などの単語(一語文)が増える時期で、必死で自分の気持ちを伝えてくるようになります。
共同注意などを通して、子どもの気持ちに共感するようにしましょう。
※「共同注意」子どもと親が、同じものに注意を向けること。
1歳半~2歳半
早い子は1歳半ぐらいから、「まんま、ちょうだい。」「にゃんにゃん、おいで。」などと二語文を話し始めます。
この時期のコミュニケーションの機能としては、「要求」が圧倒的に多く、他には「やだ。」「やる。」などの意思の言葉もはっきりと出るようになります。
また、「なぜ?」「どうして?」といった疑問や好奇心を持つ時期なので、簡単なやりとりをとおして、子どもの語彙を増やしていくようにしましょう。
2歳半~
ピアジェの発達段階の感覚運動期が終わり、少しずつ上位概念が育つ時期になるのです。
具体的には、「自分が理解している。」「理解していない。」や「大きい」「小さい」などの区別ができるようになります。
他には、上下などの空間を表す言葉や、色や形の名前も覚えるようになるのです。
簡単な会話が成り立つようになり、自分が経験したことを話してくれるようになります。
3歳~
3歳を過ぎると、一方通行の会話ではなく、聞く姿勢が見られるようになります。
自分から大人の話を聞くようになり、意味を理解しようとするのです。
具体的には、以下の行動や理解ができるようになります。
- 「〇〇を持ってきて。」など、簡単な動作の指示がわかる
- 「食べる」「走る」などの日常生活で使う動詞がわかる
- 名前や年齢などの簡単な質問に答えることができる
- 「こんにちは。」「おやすみ。」などの挨拶ができる
- 「頭が痛い。」「寒い。」など、自分の状況を言葉で伝えることができる
4歳~
4歳からは、「~は、を、が、と」などの助詞を正しく使えるようになるのが特徴です。
助詞を理解しているため、会話の内容が大きく逸れることが減り、話が成立しやすくなります。
それに伴い、「パン」「ごはん」といった名詞ではなく、「食べ物」といった概念の分類もできるようになってきます。
5歳~
好きな絵本の要約や感想、自分の置かれた状況を述べることができる時期です。
「~したから、~だ。」などの因果関係を含んだ複雑な文も理解したり、話したりすることができるようになります。
ですので、この時期には想像力や言葉遊びの力を育む意味でも、「なぞなぞ」などの遊びが推奨されます。
まとめ
今日は、各年齢における発達段階を解説してきました。
目の前の子どもと発達段階を照らし合わせると、自ずとその子の「発達の現在地」が見えてくるはずです。
例えば、3歳を過ぎてあまり言葉がなく、「指さし」や「クレーン」が多い場合などは、言葉の発達段階としては「1歳前後」くらいになります。
このような場合は、子どもと大人の「共同注意」を大事にし、言葉の前段階の支援を大切にしましょう。
支援者側が「発達段階」をしっかりと把握したうえで支援を行うことは、とても大切です。
よりよい支援のために。
日々、頑張っていきましょう。
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