こんにちは。
保育・療育専門家 コノアス合同会社 代表 柏木です。
ところで、皆さんはこのような悩みをもっていませんか?

すぐに大声を出したり、人との接触が強い子がいる。



この子は、行動障害なのかな?



友達と仲良くしてね、と何回言ってもだめ。もう疲れた。
分かります。
きっと、多くの保育士や支援者、家族が同じように思っているはずです。
そこで今回は、「人との関わり方~効果的な支援とは?~」と題して、詳しくお話ししていきます。
この記事を最後まで読んで頂ければ、人との関わり方の支援方法が学べますので、ぜひ最後まで読んで下さいね。
それでは、どうぞ。
人との関わりが強すぎる子


発達障害の子どもの中には、「暗黙の了解」や「言わなくてもわかるはず」といった、支援者側の思いがなかなか伝わりにくい子がいます。
人に鬱陶しがられているのに距離が近かったり、しつこすぎることに気づけなかったり…。
様々な生きづらさを抱えているのです。
日常生活を通して、自然に周りを見て覚えてくれると良いのですが、なかなかそう上手くはいきません。
発達障害の子どもたちには、暗黙のルールという見えないものを「可視化」してあげる手立てが必要なのです。
保育園や小学校低学年の教室で見かける、「声のものさし」などが代表例になりますね。
しかし、「ただ、貼っている」「ただ、見せる」だけでは、上手く身につかない子もいます。
もう一歩、工夫を進めることが大事なのです。
手だてを、きちんと活用する


よく、保育園やデイサービスで「〇〇しない。」「声の大きさは〇〇でね。」などという掲示をよく見ます。
しかし、それらは本当に「手だて」として活用されているのでしょうか?
もっと言えば、子ども達は、その手だてを見て「自分の行動の指針」としているでしょうか?
手だてを、子どもの行動に活かすために必要なこと。


「声のものさし」や「話の聞き方」など、室内にたくさん貼られているのですが、それらのほとんどが年度当初に掲示されただけで終わっているのが現実です。
つまり、活動中や日常生活に活かされていないのです。
それでは、子ども達の成長は見込めません。
手だてを用いた行動の定着には、以下のような支援が大切です。
- 身に着くまで徹底的に使い込む(行動の定着)
- 身についたと感じたら外してみる(次のステップ)
- 定着していなかったら再度学習する(修正・振り返り)
これらの繰り返しで、初めて手だては活き、子ども達は学習を深めていくのです。
暗黙のルールの可視化


「クラスの不文律」や「暗黙の了解」を視覚化し、みんなのルールにすることは、クラス全員にとって有効な行動の手だてになります。
特に発達障害の子は、見えないものが視覚化されることで、ずいぶん生活しやすくなるはずです。
今回は、そんな支援方法を紹介します。
タッチのものさし
この手だてを活用することで、「当然わかるでしょ。」「人付き合いの基本でしょ。」「言わなくてもわかるよね。」などを防ぎ、適切な行動に導くことができます。


引用:兵庫県教育委員会
タッチレベル0


タッチレベル0は、誰にも触っていない状態です。
「先生の話を聞く」、「集会」などの基準になります。
タッチレベル1


タッチレベル1は、「握手」や「手をつなぐ」などの行動になります。
遊びや遠足などでの守るべき基準です。
タッチレベル1は、コミュニケーションの基本を学ぶことになりますね。
タッチレベル2


タッチレベル2は、少し広い面での関わり方になります。
肩を組んだり、おんぶをしたりする行動です。
「大根抜き」などの遊びも、このレベルになります。
タッチレベル3


タッチレベル3以降は、「社会性」が基準になってきます。
特に「くすぐる」や「つっつく」などは、人の話を聞く場面などでは、してはいけない行動です。
また、これらの行動は、発達障害の子どもは感覚的に不快感を覚えることが多いので気をつけましょう。
タッチレベル4


レベル4は、「ぶつかる」でなどの身体接触です。
ただ、スポーツのときや生活上故意でないこともあります。
その際は、お互いに許し合う必要があることも伝えましょう。
タッチレベル5


タッチレベル5は、暴力的な要素を含む「叩く」や「蹴る」などです。
危険回避時は自分を守る武器になりますが、日常の場面では危険なレベルになります。
ぜひ、タッチのものさしの学習を通して、「人との関わり方」や「パーソナルスペース」について学んでもらいたいと思います。
そして、クラスの「暗黙のルール」をどんどん可視化しましょう。
きっと、クラスのルールが分かりやすくなり、子ども達の笑顔も増えるはずです。
まとめ


保育園や放課後デイサービスなどでは、偶発的に起きるトラブルがたくさんあります。
「人との関わり方」という、教えるのが難しい場面でも「タッチのものさし」という視覚化されたものがあれば一貫した支援ができるのです。
支援の基準が設定されていなければ、支援の一貫性が保てません。
それどころか、子どもたちの「誤学習」にも繋がってしまいます。
「誤学習」させないためにも、適切な人との関わり方の定着を目指して、視覚的な基準をもって支援に取り組んでいきましょう。
子ども達の「社会性」へのアプローチは、早ければ早いほどいいのです。
ぜひ、明日からでも、試してみて下さい。
よりよい支援のために。
子ども達の明日のために。
コノアス合同会社 代表 柏木でした。
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