発達障害のおしゃべりさん~マイナスをプラスに変える支援を~

こんにちは。
保育・療育専門家 コノアス合同会社 代表 柏木です。

みなさんは、日々、子ども達を支援したり、子育てをしたりする中で、次のような言葉をかけていませんか?

「さっきも言いましたよ…。静かにしなさい!!」
「今は先生が話をしているんです。きちんと聞きなさい!!」
「しゃべっているの、Aくんだけだよ? みんな迷惑しているの。わからないかな?」

保育園や放課後デイサービス、家庭でよく見られるシーンです。

特に、活動中のおしゃべりがやめられない子は、上記のような注意を多く受けることがあります。
注意されたときは、反省する様子を見せますが、またしばらくすると、おしゃべりを始めるのです。

このような様子を「多動」といいますが、おしゃべりな子は「お口の多動」と言われることもあります

友達からも「お前のせいで先生に怒られたぞ。」と迷惑がられることがあったり、余計な一言も多いので、友達関係が上手く作れないこともあったりするのです

こういった「おしゃべりがやめられない子」は、

  • 自分をコントロールする
  • 衝動性を抑える
  • 場の空気を読む

などに苦手さがあります。

特に、活動中は支援者の話よりも、友達の話や動きに注意が向かってしまいます

結果、友達の発言に過剰に反応してしまったり、からかいに怒ったりしてしまうのです。

さらに、グループ全体がざわついてくると余計に気が散りやすくなり、どうしても目立つ言動をしてしまい、真っ先に支援者から注意を受けてしまいます。

目次

支援者はどのような視点をもてばよいのか?

発達障害のおしゃべりな子は、「騒がしい子」や「周囲に迷惑をかける子」といったマイナス面ばかりが強調されることも多いのですが、できるだけその子のプラスの面にフォーカスするようにしましょう。

①どんなにおしゃべりな子でも、ずっとうるさいわけではない。特に、自分が好きな活動には素晴らしい集中力を発揮することがある。
②みんなが黙ってしまい、活動が停滞しているときでも積極的に発言をしてくれる。それにより、クラスに活気が戻ることがある。
③叱責されても気持ちの切り替えが早く、前向きに取り組む
④支援者や友達の動きをよく見ている

上記のように、少しプラスの面をクローズアップすることで、その子の良さに気づくことができます。

おしゃべりさんは、「騒がしい子」ではありますが、同時に周囲のことによく気がつく子でもあるのです。

例えば、外部の人が保育園に視察に訪れたとします。
そういうとき、真っ先に挨拶をしたり、声をかけたりしますよね。

それにより、視察の人と支援者の雰囲気が良くなることだってあるのです。
顔なじみになれば、どの子よりも上手にコミュニケーションをとることも期待できます。

「おしゃべりさん」や「騒がしい子」と表現すると、過度に感じますが、自分の意見を話す行為自体は悪いことではありません。「話せる能力」と、「止められない難しさ」を分けて考えると、その子の良いところが見えてきます。

その子の躓きの背景的要因を理解して、その上でプラスの面を見つけることが大切です。
そして、見つけたプラスの面を支援できれば、より大きな成長に繋がります。

そのためには、少し発想の転換が必要ですね。

子どもの「できない」背景を考え、「良いところ」へと繋げる<発想転換表>を活用してみましょう☆

発想転換表~子どものマイナスをプラスに~

注意されがちな言葉できないことの背景プラスの面として見つめ直す
きちんとやりなさい長時間だと注意が逸れる短期集中型
話を聞きなさい他の音や声が気になる色々なことに気が付く
また忘れたの?記憶の弱さ
周囲の転導
切り替えが早い
失敗を引きずらない
頑固
拘りが強い
人に任せられない
自分でやることにこだわる
責任感が強い
しっかりできる
発想転換表

支援者は、常に肯定的に子どもを見る必要があります。

活動中のおしゃべりが止められない子は、色々なことによく気がつく子なのです。

静かに話を聞けないことを叱責するだけの支援や、一方的に約束を突きつける指導はあまり効果的ではありません。

まずは、色々なところが気になり、アンテナを張っていることを受け止めてあげましょう。
その上で、少し声の大きさを下げて欲しいことを伝えたり、メモを渡したりすると、自分の行動に気づけるようになります。
時間はかかりますが、支援者として、辛抱強く支援し続けることが必要です。

他には、「忘れっぽさ。」に特徴がある子っていますよね。
この場合も、「なぜ忘れっぽいのか」の背景的要因を探る必要があります
すると、「記憶の弱さ」などの前に、「そもそも、おしゃべりに熱中しすぎて話を聞いていない。」などの場合があるのです。
その際は、前述した支援などが有効になります。

記憶の弱さ」に問題がある場合は、幼児用の知的ワークなどに取り組むのも良いでしょう。
遊びながら、間違い探しなどをするのもおすすめです。
楽しみながら、子どものマイナス面を肯定的に捉え、プラスに変えられる支援をすると素敵ですよね☆

まとめ

今回は、発達障害のおしゃべりさんに登場してもらい、子どものマイナス面をプラスに変える支援について話をしてきました。

この記事を読んで、明日からの支援が「プラス」に変わることがあれば、幸せです

子ども達に、「できて当たり前」はありません。

ですから、こちらの働きかけで、黙々と取り組んでいたり、言われた通りにできた時には「それぐらいはできて当たり前。」と見過ごすのではなく、最大限称賛してあげて下さい。

「静かに取り組んでいて、すごいね!!」や「友達と仲良くやっているね。」など、その声がけが、子ども達の次の成長に繋がります。
子ども達は、常に「褒められたい。」と思っています。

私たちもそうですよね。
園長や上司、同僚、親、友人…。

何気なく褒められた一言が嬉しく、次のモチベーションに繋がることがあるはずです。

子ども達も同様です。

いや、それ以上に「褒められたい。」「認められたい。」と思っているのです。

子ども達の明日のために。

日々、よりよい支援を。

そして、あたたかい支援を。

はぐちるの森は、こどもたちの明日を考えるブログ

子どもたちの発達をゆっくり支援していく施設「はぐちるランド」を運営しています。
はぐちるランドは、子供たち一人ひとりがこれからの未来を楽しくのびのびと生活できるよう援助、療育を行う施設です。

また、児童発達支援施設の開設・運営をトータルサポート
子どもたちの未来のために、一緒に支援する場所を作っていきたい方の応援をしております。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA



The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.

目次