家庭と連携した「学校生活準備」の進め方

こんにちは。
保育・療育専門家のコノアス合同会社 代表 柏木です。

小学校への就学は、すべての子どもにとって大きな節目となる出来事です。

特に、発語がないお子さんや障害が重いお子さんにとっては、生活環境の変化、集団行動への適応、新たな人間関係など、乗り越えるべき課題が多く存在します。

そのような状況の中で、児童発達支援事業所とご家庭がしっかりと連携しながら「学校生活の準備」を進めていくことは、子どもにとって安心と成功につながる大切な要素です。

本記事では、事業所としてできる支援、家庭との効果的な連携方法、そして特別な配慮が必要なお子さんへの対応について、わかりやすくご紹介します。

目次

就学準備はいつから始める?

就学に向けた準備は、できれば1年前くらいから始めておくのが理想的です。
市町村によって時期は多少異なりますが、年長の春〜夏ごろには「就学相談」がスタートする自治体が多く、早めの情報収集が重要となります

この時期にやっておくと良いこととしては、

  • 特別支援学校や支援学級、通常学級などの見学
  • 保護者の希望や不安の整理
  • 現在の発達状況の確認と記録
  • 支援の必要性や希望する配慮の整理

などがあります。支援者と保護者が一緒になって子どもの状態を共有し、方向性を見定めることで、就学に向けた具体的な準備が進みやすくなります。

日常生活スキルの支援と練習

就学に向けて重要な準備のひとつが「生活スキルの獲得」です。
学校生活では、集団での行動が基本になります。
特に以下のようなスキルは、事業所と家庭で一貫して取り組むと効果的です。

  • 着替え(制服や体操服など)
  • 排泄(トイレへの誘導やサイン)
  • 食事(給食への備え、自分で食べる練習)
  • 座って活動する習慣
  • 集団での簡単なルール理解(順番、待つことなど)

発語がないお子さんや、表出が難しいお子さんの場合は、言葉によるやりとりが困難です。だからこそ、絵カード、ジェスチャーなど代替的なコミュニケーション手段の導入を早めに進めることが大切です。

これらの方法を事業所内で試しながら、家庭にもフィードバックし、同じ支援方法を共有することで、子ども自身も安心して取り組むことができます。

「学校ってどんなところ?」環境へのイメージ作り

学校という新しい環境に不安を抱く子は少なくありません。
特に感覚過敏や変化に対して不安が強いお子さんにとって、事前のイメージ作りはとても効果的です。

家庭でも取り入れやすい工夫としては、

  • 通学路を一緒に歩いてみる
  • ランドセルや上履きを実際に使ってみる
  • 学校の写真や動画を見せる
  • 朝の準備〜登校までの流れを絵カードで示す
  • 「学校ごっこ」や模擬活動で登校気分を味わう

    などがあります。こうした取り組みを通して、子どもの中に少しずつ「学校はこんなところ」「なんだか大丈夫そう」という感覚が芽生えていきます。

    また、感覚過敏があるお子さんには、衣服の素材、教室の音、におい、光などへの配慮も事前に行っておくと、就学後のトラブルを減らすことができます。

    家庭との連携は日々の共有から

    就学準備を成功させる鍵は、事業所と家庭の連携にあります。
    特別な支援が必要なお子さんの場合、家庭と事業所が別々の方向を向いてしまうと、子どもが混乱してしまうことも。

    日々の連絡ノートや、写真付きの日報を活用することで、家庭との連携を強化できます。

    例えば、

    • 今日できたこと、頑張ったことの共有
    • 新たに気づいた困りごとや感覚の変化
    • 家庭での様子(夜の睡眠、食事、きょうだい関係など)

    などを簡単にやりとりすることで、保護者の不安が軽減され、より良い関係性を築くことができます。

    また、支援中の様子を写真や動画で共有することで、「こんな風に取り組んでいるんだ」と家庭でも理解が深まり、子どもへの声かけや接し方が一致しやすくなります。

    特別な配慮が必要なお子さんへの支援

    発語がないお子さんや、医療的ケアが必要なお子さんには、よりきめ細やかな準備が必要になります。

    言葉での表現が難しいお子さんには、「選べる」「伝えられる」体験を意識的に増やしていくことが大切です。

    例えば、

    • 「おやつはどっちがいい?」と実物を提示する
    • スイッチで音や光が出る玩具を使って選択の成功体験を得る
    • 目線での選択や意思表示を読み取る練習

    など、発語以外の手段でやり取りする機会を増やし、家庭でも取り組めるように方法を一緒に考えます。

    また、医療的ケアがある場合には、事前に学校・医師・看護師・行政と連携し、どのような支援体制が必要かを丁寧にすり合わせておくことが不可欠です。

    学校生活が始まってからも続くサポート

    就学は「ゴール」ではなく、新たなスタートです。実際には、入学後に困りごとが出てくるケースも多く、事業所としては継続的な支援が求められます

    たとえば、

    • 学校での様子を保護者から聞き取り、支援に活かす
    • 必要に応じて学校との面談に同席する
    • 放課後等デイサービスへのスムーズな引き継ぎ

    など、家庭・学校・福祉の三者をつなぐ“ハブ”のような役割を果たすことも、児童発達支援事業所にできる大切な支援のひとつです。

    よくある質問(FAQ

    まだおむつが取れていません。就学できますか?

    はい、可能です。就学前に排泄トレーニングを進めることは大切ですが、学校でも支援体制が整うことがあります。焦らず一緒に準備していきましょう。

    通常学級か支援学級か、どちらを選ぶべきか悩んでいます。

    まずは見学や就学相談を通して、お子さんにとってどの環境が安心して過ごせるかを一緒に考えていくことが大切です。選択に正解はなく、途中で変更することも可能です。

    発語がないので、学校で困らないか心配です。

    言葉以外にも、絵カード、視線、ジェスチャーなどの方法で意思を伝えることができます。事前に学校と支援方法を共有することで、不安を減らすことができます。

    家庭でどんな支援をすればいいですか?

    決まった流れの提示(朝の支度の順番など)、簡単な選択肢の提示(どっちがいい?)、できたことを一緒に喜ぶ、など日常の中で自然にできる支援が効果的です。

    まとめ

    就学準備は、子どもだけでなく、家庭や支援者にとっても大きなチャレンジです。だからこそ、家庭と児童発達支援事業所が手を取り合い、子ども一人ひとりの特性に合った形で準備を進めていくことが大切です。

    発語がなくても、障害が重くても、子どもには「自分らしい形で社会に参加する力」があります。その力を信じて、支援者と保護者が「チーム」として取り組んでいくことが、子どもにとっての最良のスタートとなるはずです。

    私たち支援者は、これからもご家庭と共に、お子さんの未来を支える伴走者であり続けたいと願っています。

    はぐちるの森は、こどもたちの明日を考えるブログ

    子どもたちの発達をゆっくり支援していく施設「はぐちるランド」を運営しています。
    はぐちるランドは、子供たち一人ひとりがこれからの未来を楽しくのびのびと生活できるよう援助、療育を行う施設です。

    また、児童発達支援施設の開設・運営をトータルサポート
    子どもたちの未来のために、一緒に支援する場所を作っていきたい方の応援をしております。

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