こんにちは。
保育・療育専門家のコノアス合同会社 代表 柏木です。
特に児童発達支援の現場では、発達に特性のあるお子さんや、発語がまだ見られない、重度の障がいをお持ちのお子さんに対しても、一人ひとりに合ったアプローチが求められます。
本記事では、児童発達支援事業所で行っているトイレトレーニングの支援方法と、ご家庭でできる取り組みについて、具体的かつ丁寧に解説します。
トイレトレーニングの基本的な考え方

トイレトレーニングの目的とは?
- 目的は「おむつが外れること」ではなく、排泄を自分で認識し、伝えたり行動に移したりできること。
- 発達の特性がある場合、「今どの段階にいるか」を見極めて、焦らず段階的に進めることが重要です。
トレーニングを始めるタイミング
一般的には2〜3歳ごろが目安ですが、以下のようなサインがあれば検討をしてみましょう。
- 排尿・排便の間隔が2時間以上空く
- おむつの濡れ・乾きの感覚を気にする
- 排泄前後に表情や動作の変化がある
- トイレに興味を持つ・真似をする
児童発達支援で行うトイレトレーニングの支援方法

環境を整える

- 子ども用便座や踏み台の設置
- 静かなトイレ環境(音・においへの配慮)
- 視覚的な手順提示(絵カード、ピクトグラムなど)
- 子どもが安心できるキャラクターや色を取り入れる
視覚支援の活用

- 排泄の流れを絵カードで提示
- 一つひとつの動作をビジュアルで分かりやすく伝える
- 成功時に「できたねカード」やシールで達成感をサポート
タイミングを見て誘導する

- 一定の時間でトイレに誘う(例:登園後・おやつ前・帰り前)
- 成否に関わらず座るだけでも褒める
- 成功時にはしっかりと喜び、成功体験として定着させる
言葉の代わりになる手段を用意する
- 絵カードを見せて選ばせる
- トイレを表すジェスチャー・サイン(例:お腹をさする動作)
- 非言語のサイン(指差し・表情など)を読み取る
- 「伝えられる手段の存在」が自信につながる
重度の障がいを持つお子さんへの配慮と工夫

排泄のリズムの把握と記録
自発的な排泄が難しいお子さんの場合でも、毎日の排尿・排便の時間や様子を記録していくことで、一定のリズムやパターンが見えてきます。
記録に基づいて適切なタイミングで介助することで、お子さんにとっての快適さが増し、トラブルの予防にもつながります。
排泄前後の表情や動きの変化など、些細なサインにも注意深く目を向けることが大切です。
意思表示が難しいお子さんとの関わり
重度障がいのあるお子さんの中には、言葉はもちろん、表情や身振りでも意思を伝えることが難しい場合があります。
そのような場合でも、呼吸のリズムの変化、まばたきのタイミング、筋肉のこわばりや緩みといった微細な変化に気づく力が求められます。
日々の関わりを重ねることで、お子さん特有のサインを少しずつ理解していくことが可能です。観察を通じて築かれる信頼関係が、支援の土台となります。
ご家庭でできるトイレトレーニングの工夫

家庭と施設で情報を共有しよう
- 成功した方法やタイミングを伝え合う
たとえば「朝食後だとスムーズだった」「声かけの言い方を変えたらうまくいった」など、具体的な成功例を共有することで、より適切な対応がしやすくなります。お子さんの強みを引き出すヒントになります。 - 排泄の記録を共有
家庭と施設それぞれで記録をつけることで、共通点やリズムのずれを把握しやすくなります。一貫した支援を可能にし、失敗や不安を減らす助けになります。 - 絵カードや手順表を施設と同じ形式で使う
トイレの流れを同じスタイルで見せることで、お子さんが混乱せずに取り組める環境をつくれます。視覚的な情報が安定していることで安心感が増します。
生活リズムを整える

- 食事や水分補給の時間を整える
一定の時間に食事や飲み物を摂ることで、排泄のリズムも自然と安定しやすくなります。リズムが整うことで、トイレのタイミングも予測しやすくなります。 - 運動・外遊びの時間を取り入れる
体を動かすことで腸の働きが活発になり、排便を促す効果が期待できます。散歩やボール遊びなど、無理のない範囲で楽しく行える活動がおすすめです。 - 十分な睡眠を確保する
睡眠不足は生活リズム全体を崩し、排泄にも影響を及ぼすことがあります。夜更かしを避け、決まった時間に眠る習慣をつけましょう。
トイレの雰囲気づくり

- 好きなキャラクターのシールや飾りで親しみやすく
子どもの好みに合わせたキャラクターや色彩をトイレに取り入れると、「行ってみたい」と思える空間になります。自発的なトイレ利用の後押しにもなります。 - トイレ関連の絵本を読む(例:「トイレでできたよ」など)
物語を通してトイレの使い方や成功のイメージを持てるようになります。読むことで緊張感がほぐれ、安心感を持ってチャレンジしやすくなります。 - できたときはたくさん褒める
「すごいね!」「がんばったね!」と笑顔で声をかけることで、自信と意欲が高まります。結果にこだわらず、挑戦できたこと自体を認める姿勢が大切です。
「失敗しても大丈夫」の気持ちを

- 失敗しても叱らず、「次がんばろうね」と声をかける
排泄に失敗してしまった時も、責めたり落ち込んだりせず、「チャレンジできたね」と認めることで、安心して次に取り組むことができます。小さな成功が積み重なる環境を作りましょう。 - 保護者の安心した姿勢が、子どもにとっての安心につながります
大人が慌てず穏やかに対応することで、子どもも「大丈夫なんだ」と安心します。保護者の心の余裕が、トイレトレーニングを支える大きな力になります。
よくある質問(FAQ)

Q1. 発語がないのにトイレの意思を伝えるのは難しいのでは?
A1. 絵カード・ジェスチャー・表情・動きなど、言葉以外の手段で意思は伝えられます。
Q2. 一度トレーニングを始めたら、やめてはいけませんか?
A2. 状況によっては一時中断も可能です。体調や環境の変化を見ながら無理のない対応を。
Q3. 重度障がいがあるとトイレトレーニングは無理ですか?
A3. 完全な自立は難しくても、「不快を伝える」「パターンを把握する」など、その子なりの成長は可能です。
Q4. トイレに行くのを嫌がって泣いてしまうのですが、どうすればいいですか?
A4. トイレが怖い・不安な場所になっている可能性があります。無理に連れて行くのではなく、まずはトイレに入るだけ、便座に座るだけなどの小さなステップから慣らしていきましょう。好きなキャラクターのシールを貼ったり、成功したときに褒めたりすることで、トイレのイメージを少しずつ変えていくことが大切です。
Q5. 保育園や他の施設とトレーニングの方法が違って混乱しませんか?
A5. 支援方法がばらばらだと、お子さんが混乱することがあります。できるだけ施設と家庭で使用する絵カードや手順、声かけの言い回しを統一することが望ましいです。事業所間で情報共有を行い、共通の支援方法を確認し合うと安心です。
「できる形」を一緒に見つけていく支援

トイレトレーニングは一筋縄ではいかないことも多く、特に障がいのあるお子さんには時間と工夫が必要です。
焦らず、一人ひとりのペースに寄り添いながら、「できた!」という小さな達成感を積み重ねることが、やがてその子らしいゴールにつながります。
私たちは、児童発達支援事業所として、ご家庭と手を取り合いながら、お子さんの「できる形」を一緒に見つけていく支援を続けていきます。
はぐちるの森は、こどもたちの明日を考えるブログ
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