初対面のお友だちと仲良くなるための遊び3選

こんにちは。
保育・療育専門家のコノアス合同会社 代表 柏木です。

目次

はじめに

新しい場所、初めて会うお友だち。お子さんにとって「初対面」は、わくわくと同じくらい、ちょっぴり緊張する場面でもあります。

発達特性のあるお子さんにとっては、まだ顔を知らないお友だちと過ごす時間が、嬉しさよりも先に「何が起こるか分からない」という不安につながることも少なくありません。

児童発達支援の現場では、初めて顔を合わせるお子さん同士が、無理なく距離を縮められるような遊びを大切にしています。

この記事では、初対面のお友だちと仲良くなるための遊び3選をご紹介します。 発語が少ないお子さんや、重度の障害のあるお子さんも一緒に楽しめる工夫も交えてお伝えします。

初対面の場面で大切にしたいこと

お子さん同士が打ち解けるためには、いきなり「お話してごらん」と促すよりも、同じ景色を一緒に見たり、同じ動きを共有したりする時間が役立ちます。

言葉でのやり取りが難しいお子さんも、視線や笑顔、手の動きで気持ちを伝え合うことができます。

急に大きな声が出てしまったり、場面の切り替えに時間がかかったりするお子さんもいます。 こうした姿は外からは見えにくく、本人の中で気持ちが追いつかない瞬間でもあります。 職員はその揺れにそっと寄り添いながら、無理のない距離感を一緒に探していきます。

小学校に上がると、こうした特性に応じた支援学級が用意されている場合もあり、日々の穏やかな関わりの積み重ねは、その後の集団参加の土台にもなっていきます。

遊び① ミラーゲーム(まねっこあそび)

向かい合って座り、相手の動きをそっとまねする遊びです。

  • 手をひらひらさせる
  • 頭の上で大きな丸をつくる
  • にっこり笑ってみる

特別な道具はいりません。職員が間に入り、ゆっくりとお手本を見せながら進めます。鏡のように動きが映る面白さに、自然と笑い声が生まれる場面もよくあります。

おすすめの理由

言葉を使わずに「あなたを見ているよ」「同じだね」という気持ちを伝え合える遊びです。

相手の表情や動きに注目する時間そのものが、お友だちへの興味を育てます。

一緒に楽しむための工夫

  • 動きが難しいお子さんには、職員が手を添えて一緒に動かす
  • 車いす利用のお子さんとは、目線の高さを合わせる
  • 表情だけのまねっこから始めてもOK
  • 苦手なお子さんは「見ているだけ」も立派な参加

遊び② お名前ボールころころ

床に座って輪になり、ボールをゆっくり転がしながらお名前を呼び合う遊びです。

  • 「〇〇さん、どうぞ」と言ってボールを転がす
  • 受け取ったお子さんは、次のお友だちにボールを送る
  • 名前カードや写真カードを用意しておくと、視覚的にも分かりやすい

おすすめの理由

ボールという「橋渡し役」があることで、初対面でも安心してやり取りが始まります

お名前を呼ばれる、呼び返す、その繰り返しが「自分はここにいていい」という感覚を育てます。

コロコロと転がる動きはゆっくりしていて、目でも追いやすいのが嬉しいポイントです。

一緒に楽しむための工夫

  • 発語が少ないお子さんは、職員が代わりに名前を呼ぶ
  • 受け取りが難しい場合は、傾斜のあるボード上で転がしてキャッチしやすくする
  • 重度の障害のあるお子さんには、職員が手を添えてボールに触れる時間をつくる
  • 音の出るボールを使うと、視線が向けにくいお子さんも楽しめる

遊び③ みんなで作るカラフルシール台紙

大きな模造紙に、それぞれが好きな色のシールを貼っていく共同制作の遊びです。

  • 色とりどりのシールを準備する
  • 「ここに貼っていいよ」と場所を指さしながら誘う
  • 完成した台紙はみんなで眺めて、感想を伝え合う

おすすめの理由

「一緒に何かを作った」という体験は、初対面のお友だちとの間に小さな絆を生みます。

台紙の上で偶然シールが隣り合うこと、それだけでも「お友だちと一緒」を感じる入口になります。 色や形が増えていく台紙を見て、「お友だちの近くに貼りたい」という気持ちが芽生えるお子さんもいます。

一緒に楽しむための工夫

  • シールを剥がすのが難しいお子さんは、半分めくった状態で渡す
  • 手の動きが難しいお子さんは、職員と一緒に貼る
  • 「貼る場所を指でさす」だけでも参加になる
  • 完成した台紙は写真に撮ってご家庭にもおすそ分け

ご家庭で取り入れるヒント

  • きょうだいや、ぬいぐるみと「まねっこ」を楽しむ
  • ボールやお手玉を転がし合いながら、家族の名前を呼ぶ
  • お絵かき帳に、家族みんなでシールを貼ってみる

おうちでの小さな練習が、初めての場面での安心につながります。「上手にできること」よりも、「楽しく終われたね」という記憶を残してあげることが何よりの土台になります。

FAQ(よくある質問)

Q1. 人見知りが強いお子さんでも参加できますか?

A. 大丈夫です。

最初は「見ているだけ」「保護者の方の膝の上から」など、お子さんが安心できる距離から始めましょう。同じ空間にいるだけでも、立派な参加の一歩です。

Q2. 発語のないお子さんはどう関われますか?

A. 視線・表情・手の動きを通して、たくさんの気持ちを表してくれます。

職員が代わりに名前を呼んだり、サインや絵カードを使ったりしながら、お子さんなりの参加のかたちを一緒に見つけていきます。

Q3. 重度の障害のあるお子さんも一緒に楽しめますか?

A. はい。職員が手を添える、目線の高さを合わせる、感触の心地よい素材を使うなど、その子に合わせた関わり方ができます。「いる・見る・感じる」も、大切な参加のかたちです。

Q4. 急に大きな声が出てしまったり、途中で抜けたくなったりした場合は?

A. 別室や落ち着けるスペースに移動できるよう準備しています。

途中で休んでも、また戻って参加できます。気持ちを整える時間も、遊びの一部として扱っています。

Q5. ご家庭で初対面の練習をするにはどうしたらいいですか?

A. ぬいぐるみや家族同士で「はじめまして」のやり取りをしてみるのがおすすめです。

短く、楽しく、笑顔で終わるのがポイントです。

おわりに

初対面のお友だちと仲良くなる道のりは、お子さんによってさまざまです。

ぴったり寄り添える日もあれば、少し離れて見守るだけの日もあります。

どんなかたちでも、その日その日の参加が、お子さんの「お友だちと一緒っていいな」という気持ちを少しずつ育てていきます。

これからも、お子さん一人ひとりのペースを大切にしながら、温かな出会いの時間を一緒に作っていきたいと思います。

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